素材

フレームに採用される素材は、チタン合金(Ti-3Al 2.5V)、アルミ合金(#7005Alloy)などのハイグレード金属素材。そして、スポーツバイクのスタンダード素材として用いられるクロモリ。軽量化と剛性のバランスが素材選択の決め手となります。高価なチタン合金は非常に耐食性が強く、同一比重に換算した比強度は、実用金属中で最高クラス。まさしく一生ものといえます。
Titaniumは「タイタニウム」と発音。チタン元素は地殻中に4番目に多く含まれる豊富な金属であるが、加工が難しいためチタン製品はいまだに高価。冷戦後、軍需産業製品からの転用も増え、各種製品に使われるようになってきてるいる。非常に耐食性が高く、比重は約4.5程度と鉄の約6割、比強度(重量当たりの強度)は実用金属の中で最高クラス。純チタンは第1種〜4種までの4種類、チタン合金は、α型、β型、α-β型の3種類がある。

●3AI-2.5Vチタン合金:代表的なα-β型チタン合金。チタンに3%のアルミと2.5%のバナジウムを混ぜた合金。加工、溶接性の面からチタン合金としては最も利用されている。

●6AI-4Vチタン合金:チタンに6%のアルミと4%のバナジウムを混ぜた合金。チタンでは最強の合金で、熱処理をすることでさらに強度を増す。一方、加工、溶接が難しく、その製品は非常に高価。

アルミ合金は、アルミ本来の軽量性、塑性加工性、耐食性がよいという特質とともに、機械適性能を著しく改善したものである。用途・特性により1000系〜7000系がある。自転車に用いられるアルミ合金の多くは6000系(AI-Mg-Si)と7000系(AI-Zn-Mg-Cu)の2種類があり、これに説処理を加え強度を高めている。 6000系は耐食性と強度、溶接性をほどよくバランスした材料として知られている材料。7000系はAI合金中で最強の材料であり、特に7075は超々ジェラルミンと呼ばれる。第二次大戦中の零戦用として日本で開発。その後、新幹線用に改良されたものがある。自転車用フレームとして最もポピュラーな素材。
各素材の代表的金属特性
素材 耐力(MPa) 引張強さ(MPa) 伸び(%) 硬さ(Hv) 比重(g/cm3)
クロモリ(SCM440) 216 834 23 330 7.9
ステンレス(SCM440) 205 520 58 200 7.93
純チタン2種(SCM440) 216 387 23 144 4.51
チタン合金 Ti-6AI-4V 823 892 15 320 4.3
チタン合金 Ti-3AI-2.5V 588 686 20 240 4.3
アルミ合金 #7075 490 560 20 170 2.8
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加工

冷間加工によりオーバルチューブやテーパーチューブは製作されています。強度アップとともに軽量化が図られ、素材のポテンシャルを十分に引き出すことに成功。強度が必要なドロップエンドはCNC加工により製作。用途に応じて使う素材の特質にあった加工を施すことは、製造プロセスにおいて最も重要なことなのです。 Cold-Working
溶接・時効処理

TYRELL独特のフレーム形状には、多くの接合箇所をもちます。ハンドメイドにより注意深く溶接された接合部は、スムース溶接により滑らかなワンピースのような接合を実現。溶接後には。高温に熱して急冷し硬度を上げる「容体化処理T4」と、再び温めてからゆっくり冷まし、粘りを出すための「人工時効硬化T6」を行い、溶接により生じた歪と残留応力を取り払い、高い強度のフレームが出来上がります。 Welding & Treatment
幾何

ジオメトリーは、バイクの寸法、意匠、乗り味などの特質を決める重要な要素。ロングホイールベースは直進安定性に貢献。TYRELLのほぼすべてのバイクには、2本の細い傾斜したパイプがトップチューブを挟む共通のデザインコード「スラントデザイン」を採用。エレガントで伸びやかなシルエットは、TYRELLの変わらないアイデンティティそのものです。 geometory
互換性

好みのパーツをお気に入りのフレームにインストールするのもバイク愛好者の楽しみのひとつ。ステム、シートポスト、ハンドル、BBなど、すべての規格は主流のロード系コンポーネント規格を踏襲。 compatibility
スラントデザイン

この印象深く、見る人をひきつけるシルエットは、デザイン上だけでなく、ミニベロ独特のフレームワークを研究し、長いヘッドチューブまわりの剛性を高めつつ、フレーム全体の強度をアップさせることに貢献。そして、走行性に関係するフレームジオメトリーについては、トップチューブ等の低重心化を図り、ホイールベースの寸法を最適化しています。さまざまな視点から深く洞察し、クリエートした最高のフレームが、スラントデザインなのです。 Slant Design
塗装

TYRELLのフレームを彩る塗装(※)は、長年のパートナーでもあるカドワキコーティング協力のもと、1本1本パウダーコーティング(粉体塗装)が施されています。粉体塗装は、有機溶剤を使わない環境にやさしい塗装として知られており、形成された塗膜は、耐久性、耐候性、防錆性、耐チッピング等の塗膜強度に優れ、製品の寿命を格段に向上させるのが特長。お客様にとってたいせつな愛車だからこそ、塗装にもこだわりたい。その思いから、TYRELLは塗装においても一切の妥協を許しません(CSI、IVEを除く)。 《参考》カラーサンプル Painting